第11回 DML Lecture 「転移学習」

場所

京都大学吉田キャンパス工学部総合校舎213

日時

2025年12月18日(木)15:00-17:00

講師

松井孝太先生(京都大学)

内容

タイトル:転移学習の基本概念、理論的な展開と材料科学問題への適用
概要:
転移学習とは、現在のタスクを効率的に解決するために他のタスクで獲得したデータや知識を利用する機械学習の方法論であり、特にデータの取得にコストがかかるなどの理由で訓練データを十分用意できない問題へ応用されている。本講演では、まず転移学習を目標ドメインにおける期待リスク最小化問題として定義するとともに基本的な問題意識(いつ・何を・どう転移するか?)と代表的な転移学習の方法を示していただいた。次に理論的な進展として、トランスフォーマーの文脈内学習(in-context learning)が代表的な転移学習アルゴリズムに対する近似能力を持ち、さらに複数の転移学習アルゴリズムを適応的に切り替えて適用する機能を持つことを示した講演者らのグループの最近の結果を紹介していただいた。また、実問題への適用事例として、高分子の物性予測問題および触媒活性予測問題へ転移学習を応用した講演者らのグループの最近の研究を紹介していただいた。